剣道家をめざすセンセのぶろぐ。

「師弟同行」教うるは学ぶの半ばなり、、、どちらもまだまだです。

2012年 剣道論

秘すれば花と国際的普及、ビジネスと文化性、、、とある剣道講演の感想記

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少々タイミングは逸しているのですが、先般、とある文化講演会に勉強しに行きました。
先輩の顔を見に行ったともいいます。

その講演会は前半は宗教学者さんの話から、後半は「剣道の国際的普及」というパネルディスカッションへ。

どうも、後半の外国人パネリストたちの話、、、このディスカッションがが、世界では剣道の評価が高いということになっているようです。
まぁ、剣道をしている団体が企画した講演会で、剣道をやっている人が聞いているなかで、剣道をしているパネリストが剣道をよく言っているのですから、そうなるでしょうけど、、、どうも手前味噌のような感じもしています。
こうやって、よかったぁという自画自賛的なことになっていると、つい、、、はい、へそ曲がりです。
でも、知らない面、素晴らしいなと思う面も多々ありました。

この講演の概要はいずれ文字としてアップされるでしょうから、内容の網羅としての紹介はさておき、私個人が気になったところの覚書をしつつ、疑問というか、問題提起をしておきたいと思います。
わたし自身、国際的なヒトでもなく、文化や産業をかたるには不勉強なので、できればご教授願いたいということです。


この講演会の前半は、日本文化の美学について「隠す」と「花」といったキーワードにむすびつけての話が展開されました。
「秘すれば花」「葉隠」・・・・・総じて考えるとじつにこの前半がよかった。所用のため全部拝聴できなかったのは少々残念だったと思っています。

オモシロイ脱線話では、、、
京都の神社仏閣をあげて、木の葉に隠れている、、、東京タワーやスカイツリーなどは本来の日本の美学じゃないなど。、、、立地条件や歴史的背景も違うんですけどね。

また、「葉隠」自体は「武士道とは死ぬこととみつけたり」がひとりあるきして、真の「葉隠」の姿が見失われている等と言われていた、、、などなど。

この、ことごとく、「隠す」や「花」に結びつけて日本の美学についてのおはなし、、、まぁ、かなり執拗までに強引な感じ(笑)
でも、それはそれでたのしかった。

「隠す」ことについては、武道はそもそもが生死を賭けたものであり、それが日本的というのであれば、広めない、伝えないってことになって当たり前かなと思います。
ハウツーがバレてしまえば、こちらがやられるんですからね。

以下が、基本とか、守破離とかにふれてみたわたしの拙いポストです、すこしはここらへんと合点がいくなと、、、紹介させてくださいね。 
> 拙ぶろぐ:「基本」:剣道の‘教え’を考える[2]
> 拙ぶろぐ:「大強速軽」:剣道の‘教え’を考える[3]
> 拙ぶろぐ:「守破離」:剣道の‘教え’を考える[4]

さらに、性格のよろしくないワタクシとしては、後半に剣道の国際的普及のはなし、「隠す」とはまったく真逆のはなしを展開することを含めて、トータルとしてこの講演会がどうなるんだろうと、、、楽しんでました。

これは、この前半を一緒に聞いていた、テレビで海外文化の紹介番組の担い手をしている方も同じことを感じられていたようです、、、彼は、私と違って性格もよく、かっこいいヒトですよ(笑)

そして、ハードルの上がった後半のディスカッションへ。

わたしのブログでも何度かとりあげてさせてもらっていますが、現在、私は剣道の情報・映像配信のお手伝いをさせてもらっています。
インターネットを使ってのことですから、世界中の方々が見られるわけですし、情報を得ることができるわけです。
このことがベタボメされたのは、とてもうれしかったのですが・・・どうも、スッキリしません。

オモシロイことはありましたが、どうしてもここでいう剣道の良さ(文化性・伝統性)の定義付けがあまりされないままに合ったからかもしれません。
展開の中で、そのよさはやって体感するものといったので、それはそれでいいのかもしれませんが。

正直、世界大会があった年にだからこそ明らかにできるなにかを期待していた私の期待が高すぎたのかもしれませんね。
いや、ホントは多くの人が、ここを期待したのではないでしょうかね???
ですから、イタリア大会でのベスト4の国で「剣道とは」って、語らい合っても良かったんじゃないかなと。

そうはいっても、非常に勉強になったことがあります。
外国人を含めた人たちが以下のことを語るととても新鮮で、日本で剣道できている私としては身の引き締まる思いでした。

・剣道は体感して学んでいくもの。
・剣道の魅力はその文化性と精神性。
・剣道はマネることが必要。日本にはそういう目標がたくさんある、、、
・剣道のいいところは不変性→剣道が変わるのではなく、しっかりマネて、体得して、各国の習慣などにあわせて伝えられるようにすべき

いやぁ、スゴいです。

そして、とてもおもしろい現象として、この魅力ゆえに、欧州ではご高齢になってからでも剣道をはじめるヒト、他の武道から剣道にくるヒトが多くいるといいます。

そして、多くの目標として、大会・試合・講習という普及だけではなく、目標として日本から多くの先生方が長期間で滞在してもらうなどの普及も考えてほしいといっておられました。

俗世界でどっぷり生きている私としては、剣道の高段者の老後というのは、ゆたかになれるのではないかとビジネス的に考えたりしました、、、。
どんどん海外に行ってもらって、ガンバって稽古してマネされるひとになれば、それこそ、「日本の剣道の国際的普及」だろうと。

ただただ、、、

どうしても気になった一言があります、、、
これに関しては、周囲をみわたすと多くの方が頷いていたんですけど、、、

 

「ビシネスになると文化性がうすまる」

という一言。

これをとあるところで疑問だとしたときに、、、

ラグジュアリービジネスをされている方からは、工芸品はこういうビジネスになっても芸術性文化性は薄れていないだろうと。
また、その会社としては、文化を対象としてビジネスをしているのだから、文化性と経済原理のバランスをとることを大変意識されていると。
そして、ビジネスと意識したほうが、逆に歯止めやバランス感覚をもてるのではないかと。

まさしく正論だと思います。

さらに、これは剣道の世界にいると思うのですが、、、「ボランティア」ということ。
これは、現在の道場での指導も多くはそれでの儲けは考えませんし、こういう考えをもつこともタブー視されている感があります。

でも、これもとある方に教えてもらったんですが、すでに儲けは考えないとしても、登録費などをとっている時点でビジネスを行なっているわけなんです。
ですから、上記ラグジュアリービジネスのことをおしえていただいたご意見のように、剣道が独自のバランスを考えつつ、さらには、「ビジネスをしている!!!」という自覚のもと、剣道がどういう「ビジネスモデル」をつくっていくのがよいかを検討することが、剣道界にとって重要なのかなと考えていました。

まぁ、わたし自身、ここまでは考えてみましたが、これ以上どうしたらいいという解はまったく用意していません、、、ホント勉強不足でスミマセン。
でも、ビジネスをすでにしているという自覚が、剣道界に少々希薄なのはかなりの問題ではないかと思っています。

さらに付け加えておきたいのは、今回、講演会のなかで最もイヤだったのは、、、これは剣道界全体のことかもしれませんが、、、なんでもかんでも柔道を敵視するようなことが多いこと。

正直言えば、剣道だけが勝てばいいなんて考えたらダメですよね、どうやってタイアップしていくかが本来の日本の文化なはずですし。
極論は、柔道がなかったら、剣道もそう、武道がなくなると思っています。
また、ビジネスとして考えたとしても、海外普及にしても多くのノウハウは持っているはずです、、、教わるところがあると思っています。

さてさて、、、

今回のポストは、職業柄というより、私の専門からはとてつもなく離れていて、不勉強で申し訳ありません。
もっともっと勉強しないといけません( ー`дー´)キリッ
また、いろいろとご教授いただきたく思います、、、よろしくお願いいたします┏○

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