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中村民雄先生HPより 高野佐三郎先生「剣道」に掲載の写真

剣道具のユーザーは、、、手刺とか、その細かさに興味を持っているようです。どうしても気になるのでブログアップです。

個人的な結論は、本人が使いやすいかどうか、思い入れやがあるかどうかにあると思っていますし、験担ぎ的なこともあると思います。
そして、道具を介してどう技を出すかが重要となってくるのだと思います。

道具には勝ち負けはありません、道具使いが勝ち負けをきめるのです。

さて、「刀→木刀→竹刀」という変化と、さらに布団を使ってプロテクトをする道具が開発されたことで、より実践の打突ができる稽古が行えるようになったわけです。

したがって、剣道をするヒトにはもっと「布団」のことをもう少し知っていただきたいということなのです。


学術的な歴史については、以下のHPをご参照ください。

> 中村民雄先生: 防具(剣道具)の歴史(上) 防具(剣道具)の歴史(下)

そもそもは稽古で布団は多分、座布団のようなものをかぶってやっていたものだと思います。
(冒頭の写真では、すでに現在の形状の道具にはなっているものの、それを垣間見ることができますね)

布団などの材料については、以前のぶろぐにありますので参考にしてください。

> 拙ぶろぐ:古人の知恵「剣道具材料編」:ヲタクっぷり[2]

今回は刺しについて、よりクローズアップしたいとおもいます。

まず刺し方と材料についてです。
「手刺」とミシンによる「機械刺」があります。

刺し方の図(上:本刺、下、点刺)
刺し方の図(上:本刺、下、点刺)

 

糸締めをした布団(二分五厘)
糸締めをした布団(二分五厘)

これに関しては、「手刺」でも「糸締め」という工程をしていない布団であれば、どちらも機能的には同じと言えます。
「糸締め」とは本刺(長刺)ともいわれる刺し方でしかできなく、布団の裏に糸をながく出した糸を掬って、引っ張り、布団をさらに締める工程です。
非常に手間がかかるのですが、布団の中身の綿などを刺し目ごとをしっかりと分割しズレにくくします。
また、裏に出る糸が布団の中に埋まることになりますので、糸が擦れて切れる可能性も少なくなります。

ちなみに、この裏の糸を掬って締める作業ができるのは一分五厘が限界とか。

「手刺」でこのような工程のないものは(表裏とも点で刺してある、裏の糸を爪を立ててこするとザラザラ糸がひっかかるなど)、、、手のほうがすこし一針一針しっかり締めているのかなぁという程度のものでしょう。

別の見方をすると、機械のほうが安定して刺しているかもしれません。つまり、どっちがいいと言えない程度のものなのです。
こうなると、問題は中身です、、、綿の使用の否かでしょうね。綿は非常に含気性がたかいため衝撃緩衝がどのような化繊やフェルトよりも高く安全と言えますし、カラダへの相性もいいようです。
ひとつだけ言えるのは、綿を使う場合は現在の技術をもってしてもミシンをかけることができないということです、、、ただ「手刺」でも現在は綿を使っていないものもありますし、フェルトなどの材料を吟味することで現在の市場に出回っているような手刺布団をこえるような「ミシン刺」もあるのも事実です。

つぎに刺し幅の問題を・・・以下は、とある勉強会の際に私の作った資料です。
刺し幅の「広い・狭い」を、「衝撃緩衝能力」、「柔軟性」、「厚さ」、「重量」、「外観」、「手間・価格」を対比させてみたものです(一概に図のように言いきれない部分もありますが)。

資料

使用者(購買者)や販売者とが、、、機能性や価格、見た目(見栄)、工芸品としての価値、利率や売上など、いろいろな落としどころがあるのでしょうね。
私個人としては、安全性がたかく、使いやすいという機能性を備えるものが第一だと思いますから、どこらへんというのは確信があるつもりです。

とある剣道具店にも、「ミシン刺」でも4mmや6mmなどが主流であるにもかかわらず、8mmでつくらせてしまったのも私ですしね。そこの客で東京を代表するような選手たちもが「ミシン刺」で大きな大会でるほどの価値を理解していることだし。

細かいのにも当然工芸品としての価値はありますので、否定はしません。
さらには、細かくても硬くなく、前述の図の原則を崩すようなスゴいものをつくりだす職人がいるのも事実なんです=名人!!!
また、道具ですから、いいと思ったらいいんです、、、これは間違いありません。

なお、上記の科学的な裏付けも以下のHPにありますので、興味のある方はご参考に。

> 百鬼史訓先生: 安全な剣道用具の開発

ただ、「値段の高さ=道具の良さ」というものでないということ、XXXXX円のものを?????円で買ったからいいというものではないんですよ、、、手刺しがイイということでもないんですよ、、、ということでしょうか。

また、布団だけでなく、その長さや幅の問題、面なら仕立て、小手なら頭とあいまって道具の機能というのは発揮されるということも申し添えておきます。

あいかわらず、、、まとまりがありませんが、僭越ながら、これまたヲタクからの道具に関する考え方へのサジェッションとでもいうことで。

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1 のコメント

  1. >さらには、細かくても硬くなく、前述の図の原則を崩すようなスゴいものをつくりだす職人がいるのも事実
    これは本当ですか!?私は鉄川さんの作られた正武堂の2分5厘刺を愛用しているのですが、これより使いやすいモノを作る名人がいらしたら是非ブログで紹介してほしいです!

    Anonymous

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