武道では、「暑中稽古」もあれば、寒ければ寒いで「寒稽古」をしたりします。とくに寒さ厳しい朝に行うことが多いですね。いわゆる特別稽古の一つとして、修行的な意味合いも深く込められています。
私は、朝も得意でないし、寒いのも得意ではないし、、、まぁ剣道そのものが得意ではないんですが、、、あまり好きではありません(余談で書きますね)。

とある寒稽古のワンシーン
とある寒稽古のワンシーン

本来は大寒(1月20・21日あたり)を挟んで行い、立春であけるという長い期間をやるものだと聞いたことがあります。
しかしながら、いまは大学はじめ学校教育の中では入試や定期試験というように、こういう節気に基づいて動けるわけでなく、期間も短くなってきているように思います。
立派な日本人を作るのも含めて、今後武道必修化などがあったりするのに、どうなんでしょうね。
まぁ、日曜や連休といっては試合や稽古してるのもかわりないですね。

でも、この時期に寒稽古といって鍛練するのは、剣道のピリオダイゼーションといえるかもしれません。


なんでこんなことを考え始めたかというと、寒稽古とは言いませんが正月にここ10年近く稽古に参加させてもらっている学校があります。しかし、せっかく寒いのにエアコン(暖房)を入れるんです。
口の悪い自分的には「見学している父兄のためにいれるの?」とかいってしまいます。
本当に言いたいのはね、、、中高生の仕込みなんだから「寒ければアツくなるまでやればイイ」「汗冷えたらサムいから、ずっと動いていればイイ」というのが当たり前でいないと強くなれないと思います。
寒いこと、朝早いことに打ち克つことが重要なんだ、特別稽古の意義なんだと。
ジッとしているのがいい環境なんて、わざわざ朝早くからつくるもんでもないだろうと。
元立ちは暑くてたまりません(怒)

まぁ、夏ならジッとしてても暑いから 動くかとか、どうせ稽古したら疲れるんだからおもいっきり疲れてやるかというのと発想、感覚的な話ですがね。

※註:冬季に暖房をいれないとできないような地域もあります、これは東京での話ですので、暖房なんてと言っています。

以下の私のぶろぐにも書いたのですが、剣道のトレーニングは要素還元的なアプローチはほぼしません。

> 拙ぶろぐ:剣道のトレーニングに思うこと

そうなんです、同じようなことを同じように繰り返すのです。
これも修行の形態としてありだと思っています、、、といってもできる奴はできているというか。
こういう繰り返しの中に、いかに自覚して、覚悟していくかということだと思います。
(以下は崇拝する先輩のブログをちょっと拝借)

> My Happy Twitt Life! 武道に関する私的なつぶやき:覚悟 − 2010サッカーW杯時に書いたものの残骸をサルベージ −

徹底した反復練習のようにみえるなかで、、、冬の剣道の稽古は足が寒いとかいうのは別として、足の手入れ(ワレの予防とか角質ケアなど)をしっかりしていれば、一番稽古での運動量ができる期間だと思います。
これは運動として、多くの負荷をかけられるという意味です。夏でも、身体的に負荷は高いと言えますが、量をするには適していないでしょう。また、精神的な負荷に関しては、暑さのような逃げようがない夏、寒さに打ち勝たないといけない冬、どちらがのほうが高いとはいえませんし、相手などの環境にもよると思います。

さらに、剣道は剣道具をつけてやるという特質上、夏は暑く体温もすぐ上がります。したがって、冬は年間で考えると、とても多くの運動量を確保できることになるのではないでしょうか?だからこそ、求めないといけないのです。
冬に追い込む稽古というのは、トップレベルをめざすにしても、生涯続けていくにしても、非常に意味のある期間だと思っています。数ができるので、徹底した反復練習、基礎を体得するために、、、
(と思います、自分の修行は棚にあげて書いていますけど、スミマセン)

そしてなぜか、剣道の多くの試合は、運良く春と秋に集中しています。これは全日本剣道連盟の主催する大会でも、警察関連、大学などでもそうです。
(まぁ細かく言うと予選は夏に、中学・高校の全国大会は夏や冬にもありますけどね)

ピリオダイゼーションというのは、スポーツにおけるトレーニング計画に関することで「期分け」をしてピーキングをつくりだそうとすることです。
簡単に言うと、年間を「準備期(一般的準備期・専門的準備期)」「試合期」「移行期」にわけて、いろいろと計画するわけです。まぁキーワードとしては、長期・短期のサイクルとか、テーパリング云々などなどありますが、ご自身でお調べください。

とはいえ本来は、、、武士の嗜み、、、競技ではないという精神性からは、好調を作り出すということでなく、いつも強くないといけないんですが。

さて、剣道の寒稽古でなにをするかというと、、、
私の出身の厩舎から多くの学校教育などにおける指導法が伝播していることが多いのですが、この流れだとひたすら、切り返し・打ち込み掛かり稽古をながくやります。事実こういうところが非常に多いのです。
一方、毎日朝稽古をするところでことさら変わったことはしないというところでさえ、この時期には基礎的な訓練として運動量が増えるというのが定番でしょう。

したがって、年間スケジュールをかんがえるとこの冬の時期は剣道界の「鍛練期」といえ、偶然なのか、必然なのか、大まかな「期分け」がされているんですね。
とにかく、本当は深く考えていなかったともいます、、、つまり4月に年度が始まる日本の暦、年間サイクルの中で、多分試合をみたり、運営するのにいい時期をとったら、日本の四季がこんな具合で、冬にいっぱい運動量がとれるってくらいのことだったと思うのです(この手の歴史的背景は専門外なのであくまでも推察、いや思い込みです)。

でも、こういう科学的ともいえるおおまかなピリオダイゼーションがなんとなくできているというか、やっていた従来のシステムがハマってしまうというこの偶然は、とても面白いと思っています。やはり、古人の知恵なのかなぁ、、、いまにいるわれわれは、どういうプログラム・計画を綿密にたてるかが重要なことなんですがね。
つまりは、なにも考えずに剣道には寒稽古があるなんてやっているひとがほとんどだろうなぁ、危険性ばかりが先行して暖房をつけたり、などと考えてしまったわけなんです。
いかがでしょう、、、とにかく頑張って、いま寒い時期にたくさんの稽古するって大事だと思いますね。

これも前出のぶろぐの話ではないですが、上手くなる、強くなるやつは、同じことやっていてもなるんです。
すべてに一生懸命に取り組み、理解しているのかどうかわかりませんが、うまく体得していって、効果がハマってくヤカラはいるんです、このピリオダイゼーションにしてもそうなんですよね、多分。
そう、「稽古」の「稽」は「かんが」えることなんです、カラダが「かんが」えてるんでしょうねぇ。

「わたしのカラダはアタマがいい」、なんてカラダが私もほしいですね。
はい、今回も、、、ほとんどは自分にむけて言っていること、願望です、、、はい、ガンバリます!!!

(余談)
なんで寒稽古がキライなのかは、以前はたらいていたとあるところでの下積み時代で培われたというか、、、
そこのボイラーは当時重油を使っていたようで、湯が温まるまでに3時間以上、しかも官なところだったのでつけっぱなしということもしてくれず、、、
さらには、学生には管理はさせないということで、、、そう、「ボイラーマン」と呼ばれていたんです。
10日間の毎日立ち代り入れ替わり訪れてくれる先輩方のお付き合いをして=「肝稽古」、寝る前26〜27時にボイラー点けて、帰って5時起きして、、、
お礼は言われないけど、失敗すると文句は言われるという、、、
という生活の経験からかもしれません。

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3 のコメント

  1. 組長さん、ホル師さま

    コメントありがとうございます。
    いつも自分の拙い内容を深いものにしてもらって感謝してます、、、あ、今回の組長のは茶化しただけだな(笑)

    つねに強いというのは大変です。
    たしかに記録を求めない対人競技ではそぐわないのかもしれません。
    しかし、それぞれの競技分析をしてみようとしているのが、われわれだったりします。
    したがって、こういうこともふくめやってみないとだめなんだと思います。

    いろいろと矛盾のあったりすることもありますが、やればやるほど日本にも元々あったんじゃないなんて、「宝の山」的なことがあるんです。

    気づくと研究も古人の知恵の証明になったり・・・あなおそろしい世界だったり。
    まぁ、稽古そのものがまずは先人たちの追体験であるともいったりしますので当然かもしれません。

    あまり洒落たことはかけませんが、ぜひ今度直接おはなしをしてみたいものですね(組長はまたじっくりと)。

    今年もよろしくお願い致します。

  2. ピリオダイゼーションって、記録を求める競技には有効かもしれませんが、相手のある競技、武道などに当てはめるのは無理があるのかもしれません。

    世の中は、オリンピックなどに「合わせてくる」のをヨシとしてくれているようですけど、真の意味で世界一を目指すなら、

    >いつも強くないといけない

    とホル塩も思います。

    自身のバックグラウンドである、記録を競う、競泳の世界にも、「プロ」が誕生し、「チョー」ビッグなヒトで年棒1億円とからしいですけど、1億円もらうなら日本選手権と国際大会の年2~3大会だけでなく、もっと国内の多くの大会に出て、プロの泳ぎを見せてあげないといけない、もちろん、プロなんだから無様な負けを見せてはいけないと思うんです。

    で、いつも勝ち続けて、相手の戦意を喪失させてしまえば、戦わずして勝つ、状況に持ち込める。もちろん言うは易し、行うは・・・ですけど、それでこそプロではないかと。

    >やっていた従来のシステムがハマってしまうというこの偶然は、とても面白いと思っています。やはり、古人の知恵なのかなぁ、、、

    数年前、あるところで、

    「オランダの科学者が考案したこのトレーニングを続ければ、持久力と瞬発力を同時に向上させることができる」

    と鼻息荒く説明されたのですが、実はそのトレーニング、1988年にホル塩を指導してくれていたコーチが、1日1時間しかプールを使えない、という状況での苦肉の策としてホル塩に与えていたメニューそのものでした・・・

    武道の世界にはもっと蓄積がありそうですね、宝の山に思えてきます・・・これからも勉強させていただけるのを楽しみにしております。

    年始から調子に乗って自分の話ばかりしてしまいました、申し訳ありません。

    最後になりましたが、今年もよろしくお願い申し上げます。

    ホルモン塩で2人前
  3. >好調を作り出すということでなく、いつも強くないといけないんですが。

    なるほど・・・これ使わせていただきます!

    寒稽古の話・・・他人としては「根性ないな~」などと言ってしまいそうですが、
    いざ自分が選手だったら「暖房入れてくれ~」などと軟派な事をほざいてしまいそうで反省しました。
    今の私の精神力では間違いなく「暖房派」になりそうです(汗)
    強制的にやらされないと、とてもやれそうにありません(汗)

    私が学生の時、剣道部の寒稽古の話を聞いて「すげ~な剣道は!」と驚いていました。
    しかもそのあとの『肝稽古』の方も相当らしいですね(笑)

    最後の余談・・・サイコーです!(笑)
    腹抱えて笑ってしまいました!
    610先生はボイラーマンだったんですね!
    ボンバーマンみたいでカッコいいですね!響きは!(笑)

    初笑いをありがとうございます!

    組長

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