京都に連休に行ってきました、はい、京都大会です。
私自身の立合もいろいろと勉強させてもらいました。
そして、審査がおわると、いろいろな方々が、その合格率というパーセンテージをとても気にしてるようで、この手のつぶやきやウォールの書き込み、会話が多くなります。
そこで、友人とそんなにパーセンテージが好きなら、京都での立合の技の出現回数に対する有効打突の率をだしてよ、、、なんて話をしていました、友人は興味深く笑っていましたけど。
つまりですね、今回のポストは、まったくの私見なのですが、そんなにパーセンテージにこだわる意味がわからないのです。
ではまずデータが公表されているところから・・・平成11年からの各審査の合格率が下記にありますね。
そこから、年度ごとの平均を簡単に出してみると、、、図のようになります(平成24年は京都の審査のみです)。
たしかにとあるところから、6・7段審査の合格率がかなり低下して、最近ではすこし戻ってきています。
また、7段が合格率が高かったのが、徐々に少なくなり、今年京都の審査では平成11-12年度のように7段のほうが高くなる状況になっていますね。
ただ、これで簡単になったとか、難しくなったと言うにはやや問題があると思っています。
まぁ、5段の次、6段の次の段位という認識から、8段(最高段位)の手前の段位、さらにはその前の段位と認識が変ったという噂は聞いたことがあるのですけどね、噂は噂ですから、なんとも言及できませんが。
私自身、その合格率が低くなったときに審査をうけて、、、いやいやこんなことは言ってはいけません、スミマセン。
あくまでも、審査はその付与基準のもと、行われているのですから。
付与基準のスクリーンショットと出典は以下です、、、ちょっとむずかしいですねぇ。
これらの観点からは、合格率という数字はあくまでも補助的なものですし、基準に達する受審者が多数なら多く合格するのがこの基準のはずです。
兎にも角にも、その率を比較するということになると、問題点が多々ありますよね。
まずは、6・7段では、その分母となる受審者がかなり入れ替わっているんです。
前の回の合格者が抜けていくし、修業年限を経た人たちが新しく受け始めるということで、受審する母数・母体の意味合いがかなり違っています。
ましてや、6段の合格率と7段の合格率を比べるってのいうのはナンセンスです。
一方で、8段審査については、受審される方のおおくが変わらないということでは、この合格率が一体であるというのは説得力があるかもしれません。
しかしながら、その合格率を同じ率でといっておられるパーセンテージ好きな人たちの見識すら、疑うこともしておかないといけないでしょう。
それは、8段審査は平成6年11月から東京の八段審査がはじまり、年2回受審出来るようになったのです(平成5年度までは年に1回、京都のみで審査)。
その時でも1%ということだったと記憶しております、、、(明確な数字が公表されていませんが、昔からこのように言われていますね)
以下の様な番組もありましたね。
> NHKアーカイブス:「ドキュメントにっぽん 心で闘う120秒〜剣道・日本最難関試験に挑む〜」
つまり、、、とても難しいということは、何回おこなってもまったくもって変わらないと思いますし、すごい試験だとおもっています。
しかしながら、受審者はほぼ同じ方々が2回受けているわけであり、数字的には「1%×2回」というのが、現状審査の合格率に対する捉え方であるはずですね。
このことに関しては、審査がやさしくなったといっているわけではありません。
全日本剣道連盟はここ最近、普及・強化などの活動を、以前に比べれば非常に積極的に行っていますし、その努力によって剣道のレベル(この表現がただしいかわかりませんが)が高くなっているという捉え方もできるのです。
ということをいろいろと考えると、毎年毎年、率を整うこと自体が意味を持たないのではないかという素直な疑問なのですし、合格率の高いときに受かったからラッキーという話でもないでしょう。
ちょっと脱線、余談ですが、、、8段審査について、平成19年から8段審査が2日間で実施する方法になっても、ほぼ合格率に変わりはありませんし、どっちの日が有利かというのも数値上はいえないようです。
今回のデータを集められた十数年の期間のなかでの推移でもそれなりの経緯と歴史があると考えられます。
6段は全国レベルで行われる審査のはじめであり、全国基準と地方でおこなわれた審査のばらつき(本来あってはいけないのかもしれませんが)のすり合わせのような作業になったことから一時期合格率が下がったこと。
付与基準の各地への徹底が浸透された地方審査(現在では、昔は殆ど無かった初段での不合格者も出ます)からの受審者が、6段を受審し始めたので、合格率が向上してきたなど。
7段は2回目の全国審査であるため、今回の京都での審査のように合格率が6段より上回ることがないわけでもないであろうと。
これはグラフの最初のほうにもみられます、、、平成11・12年度。
さらに、当時厳しかった時の6段合格者が修業年限を経て、7段を受審してきたのですから、当然このような現象は起きるだろうなと。
(あ、6段と7段の率をひかくしている・・・ナンセンス 笑)
こうなると、率を揃えるというより、段位に関しては付与基準を徹底しつつ、普及発展のため講習会を多く開催している剣道界が実はあっぱれ、素晴らしいのではないかとも見えたりします。
まぁ、私自身、統計の専門家ではないので、核心をついているかどうかはわかりませんが、こういうことよりなによりも、剣道する人たちには、以下のようにあってほしいですね。
これは、これからあらたに挑戦していくであろう、わたくしめへの自省こみのエールにしておきたいと思います。
剣道は稽古照今、パーセンテージ云々という博打をするより、しっかりと稽古しないといけませんね。
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議な負けなし」(松浦静山『常静子剣談』)
この言葉から「運・鈍・根」というのを説明するとイイと言われています。
勝ちのある時には「運」が作用する、負けないためには「鈍=当たり前のことをやる」「根=手を抜かず続ける」をする。
こういうところが剣道のいいところだよなぁ、やっぱり。
パーセンテージ・率じゃないと思います、チカラをつけねば!!!
ちなみに以下は、勝負で負けた時に、「運・鈍・根」をとりあげたポストです。
> 拙ぶろぐ:勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議な負けなし、わたしのせい。
そして、こんな確率論みたいなポストもあります、あはは。