剣道家をめざすセンセのぶろぐ。

「師弟同行」教うるは学ぶの半ばなり、、、どちらもまだまだです。

2011年 剣道用具考 剣道論

コテの筒から:ヲタクっぷり[25]

昭和15年のコテ(左2つ)と今のコテ(右)
昭和15年のコテ(左2つ)と今のコテ(右)

現職について○○年、、、先日、就職祝いとして「コテ」をつくっていただきました。
そもそも最初頂いたものを「握れない」と返品する私も私だったりするんですが、、、
そんなこんなで、ヲタクプレイヤーと名人職人のやりとりがいろいろとありまして○○年、ようやく出来上がった作品、逸品です、、、このネタはいつかまた。

そして、コテの話ということで、、、
ちょっと前に、こんなコテたちに囲まれる機会がありました、、、(右写真)
いやぁ、ヲタクとしては、ヨダレ(@ ̄¬ ̄@)ジュルリ♪

いろいろとみる観点があるんです。

革や木綿の色のあせ方から、昔と今の材料の染めや革の鞣し方のちがい、、、
さらには、糸そのものや触ってみての重さや柔軟性からの中身の毛氈や綿などの材料のこと、、、
そして、糸のまつりやら刺し方やら、飾りの入れ方、、、
イセのとり方などといった技術のこと、、、もうたまりません、wktkが tomaranai。

古い2つは、あとで紹介しますが、昭和15年、紀元2600年関連の道具、、、。
つまり、1940年、いまからかれこれ70年以上前の道具、俗に言う「戦前」のものです。

さて、これらを見て何を語るか考えましたが、今回は「筒(つつ)」のみからいろいろと語ってみましょう。

まずは、コテの紹介。

ひとつは、水戸の作品。これは森山さんというとても有名な名人の作ですね。
昭和15年、紀元2600年にあわせての作品だとか。

水戸森山さんの作品
水戸森山さんの作品

もうひとつは、旦善さんという、これまた東京の名人の作品。
昭和15年、紀元2600年奉祝記念武道大会(昭和15年6月18~19日)に出場された小野十生先生が使用したものだそうです。

昭和天覧試合小野先生使用のコテ(旦善)
昭和天覧試合小野先生使用のコテ(旦善)

そう、かの有名な昭和天覧試合ですね、、、(お調べ下さい)

さらにもうひとつは、いまの名工と言われている方の作品ですね(ここでは名をふせておきましょう)。

まぁ、今の剣道の動きにはこの作品が全然いいのですが、、、古いものの方には、いまは手に入らないような材料や手間のかけ方など目を見張るものもありますねぇ。

 

さて、これらのコテの筒をみて、、、まずですね、、、

水戸と東京ということで、多分当時は交流があったり、情報交換などないはずなんですが、筒の長さがほぼ同じということですね、おもしろいことです。
とくに、規格なんてのはなかったはずなんですけどね。
今のものより、長いのです。
現在の平均的な体格よりも当時は小さい中、コテの筒が長いということは、比率から言うとおかしいのです。
筒の長さについては、あとに続きます。

また、次に現代のものにあるような筒のクリが、、、コテの布団のカーブの部分をさしますが、、、一方にはあって、一方にはないということ。
ちなみに、現在のコテすべてに、クリはあります。

同時代のでも、クリの有無があるということ、、、これは前述もしましたが、情報伝達があまり活発でないため、起こっている事象ではないかなと推測します。
この時代あたりからクリというものがうまれ、徐々に広まっていったのでしょう。
※クリがなければ、左右を交代しながら使えるなど、、、馬鹿なこともいえますけどね。

クリとは、竹刀操作をするときに前腕にコテ布団が擦れないように、じゃまにならないようにあるものです。
つまり、このクリがあるだけでも、当時、旦善さんがコテの名人といわれていたのかもしれませんね、、、(私見、推測です)。

そして、「コテの布団の長さとクリと剣道の技術論」という話にしていきたいと思います。

今のコテは、コテ布団は短くなっていますし、クリのないものをみることはありません。

ということから考えるに、、、剣道の技術が変化していったのではないかということです。
様々な研究や資料から剣道の技術の変遷などということはいわれています。
今回はそんなことはぬきにして、筒のこれだけの資料で何を読むかということにチャレンジです。

つまり筒が長く、クリがないということは、剣道でいう「手首を返して使う」ということが戦前まではあまり使われていなかったということになるかもしれません。
手首の返しをほとんど使わない打突動作がメインであったのかもしれません、、、

これは刀を扱う方々の言われる刀の使い方、、、表現と類似しています。
そうなんです、刀を使う方々はあまり手首を曲げるような表現はされないんです、、、

そもそも刀の重量は竹刀より重いのです。
刀の感覚を持ちながらその代用品としての竹刀の使い方から、竹刀を使っての競技がメインとなり、竹刀特有の技術ともいえる使い方が出てきて、用具も変遷していったのではないかと考えます。
※もっと刀の扱いについて勉強しないと、一概に言い切ることのできない問題なのかもしれませんが。

手首を曲げて使えば、コテの筒の布団が長いのは、前腕にあたったり、擦れたりしてジャマになります。
こういうことから、クリというカッティングが出てきたのではないかと推測できるのです。
そして、徐々に動作のジャマになるのと、プロテクターとしての長さの塩梅を考えつつ、今のように短くなってきたのかなともいえます。

まぁ、、、ポイントとられないように短くなんてヤカラどもの話は論外です。

ココらの変遷のことは、剣道具師という職人さんがほとんどいなくなったこと、職人さんも記憶とかですので、この作り手からの正確なことがたどれない(記録がない)のは残念ですね。

あと、、、本当にムズカしい話にもっていくと、「竹刀は刀である」という、いまの剣道界の根幹にあること自体に、実質的な変化があることが垣間見えているということになっているのかもしれません、、、つまり、これは実は大変大きなテーマになるのかもしれません。
この話はね、、、深すぎるのでいまの私ごときでは語れません、、、こんなこと語れる剣道家になれるか、オレ??

さてさて、、、こういう見方を極めてくると、、、
以下のぶろぐはどうでしょうか!?

mykote
◯年越しの…ありがとうございます

ヲタクっぷりは、少々極めていくとこの程度にはなります。

> 拙ぶろぐ:剣道のアップ再考、見て盗むこと

とはいっても、、、まったくというほど、こういう感覚を自己の剣道の技術等には発揮できない駄馬なんですけどね、あたくし。
もっとうまくなりたいト思ってはいるんですけどね。

もっと、ヲタクを極めないといけないってことだな、、、ガンバリマス。

右写真、いただいたコテです、、、

最高です わぁい ヽ(∇⌒ヽ)(ノ⌒∇)ノ わぁい♪

 

 

 

 

<2011/12/19 追記>
コメントでご指摘頂きました。
旦善さんは京都の職人さんであると。
ご所蔵の方が東京といわれたものでその点の検証を怠ったかもしれません…もう少しここは調べます。
ただ、そうなるとさらに距離が離れる中で、筒の長さがほぼ一緒というのは面白いですね。

また、筒についての優劣みたいなことを書いてしまいましたが、道具の良し悪しは使う方がきめることとこのブログをで一貫してきたつもりなのに、反省ですね。、、、申し訳ありませんが、その点削除します、ご迷惑をかけました。

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7 コメント

  1. はじめまして、都内勤務のymと申します。昔と現在の小手の比較、大変興味深く拝見しました。
    一枚目のお写真に写っている現代の小手ですが、どちらのお店のものでしょうか?
    私事で恐縮ですが、学生時代から使っている小手が最近合わないと感じており、少しでも使いやすそうなものを・・・と考えている次第です。
    差し支えなければどうぞよろしくお願いいたします。

  2. 丁寧なコメントありがとうございます、、
    やや気になる点があり、もしかしたらここの読者や剣道されている方が間違う可能性もあるので、差し出がましいようですが、補足だけさせてください(否定しているわけでなく補足です、、、すみません)。

    基本的に小手の頭が小さく出来るということが良し悪しではないと思います。
    今回の小手は、現代の小手に私の手は入りますが、古いの2つは全く入りません。対象となる手の大きさが違うので「小手がゴツイ」という表現には当たらないかもしれません。
    さらに申すと、使い手の手の大きさにより大きくなるのは当然ということです。
    クッション材である鹿毛を抜くようなことをして、音を立たないように小さくつくるようなこともありますが、すでに安全性の面からいろいろと問題も上がってきています、、、論外ですけど。

    また、昔は昔で素晴らしいものがありますが、現代でも日々研究・精進されて、いいものを作り出している職人さんもいることも事実です。
    昔良かれという雰囲気にとらわれる必要もないかと思っています。
    どんどん技術開発や技術革新はされるべきではないかと思っています。

    そういうことを含めて、少々僭越ながら、補足させて頂きました。
    また、いろいろとコメントください。
    私自身とっても勉強になりますので、、、よろしくお願いいたします。

  3. 610先生

    不躾な質問にもかかわらず、明確な回答頂きまして誠に有難う御座いました。大変勉強になりました。特に手首:親指側の長さを工夫されている点など、大変興味深く感じました。以前、野村夢銘先生の手首の型紙を拝見した時もやはり手首が「くの字」になりやすい型になっていました。旦善:弟子の弘熙・旦名:夢銘の各先生方は交流(面識)はあった様ですので、、、。京都の布団(自分は旦名・明山・美山を使ってます)は毛氈・綿の量が薄く、刺し方が水戸造り・関東刺しと違い、薄くてペラペラな布団に仕上がっています。関東刺しは分厚い綿入れから糸締めをキッチリ施しているかと思われます。ですので、写真右端の(たぶん水戸のT山先生の作かな?)拳が大きくて、布団がゴツイ籠手が出来上がってしまうのかと思います。610先生が書かれていらっしゃる通り、どちらも一長一短で優劣無く、使い手の好みや需要に関係しているかと思われます。長くなりましたが、今後とも興味深い書き込みを楽しみにしておりますので、宜しくお願い申し上げます。有難うございました。ちなみに私も造り手ではなく、使い手側で最終関門の八段目指し、日々稽古に励む、ヲタクな剣道好きのオッサンです。(笑)失礼致します。

  4. コメントありがとうございます。
    京都の件、ご所蔵の方が東京といわれたので、個人的にはやや合点がいかないものの記載しました。

    そうなると、さらに距離が離れているのに、筒の長さがほぼ一緒ということにより興味がそそられますね。

    次に、わたしごときが上手い下手といったことに大変反省しています。
    どちらも、それはそれは、、、という話です。

    ただ、その優劣の論点は筒に限定していった中での、話です。
    つまり、刺しの間隔の精密さや糸締めがされていることなどからそう思った次第です。
    根本的にどちらも、そして昔の道具をみると、縫製の技術は、いまよりすごいなぁと思っています。

    そして、頭の話になるのであれば、、、

    ご指摘の通りイセのとり方はどちらも目をみはるものがあります、、、
    ただ、これも使用者(同一人物がつかわれたものではありません)の手の問題があるので、優劣の問題でないのかもしれませんね。

    また、旦善さんは筒のクリだけでなく、実は手首の部分の長さが違います、親指側がやや長くできています。
    つまり手首を使いやすくするなどを目的として、「型紙」の段階での工夫がされていると推察しています。
    その点、名人と言われたことでもあるのかなと。

    今回は「筒」に限定したので、この点は書きませんでしたが、いろいろなことが詰め込まれている感じです。
    兎にも角にも、優劣つけようなんてことが間違いでしたね。
    道具の良し悪しは使う方が決めることと、ぶろぐを一貫して言ってきたのに、、、ながながと失礼しました。

  5. はじめまして、いつも楽しく拝見させて頂いてます。実は私の記憶違いかもしれませんが、津田旦善先生(三枝弘熙先生の師匠)は東京ではなく京都大和田系の職人で面の物見も採用した関西の職人と記憶してましたが、、、。森山作も素晴しいですが、材料は手にとって見ないと解りませんが、造りは写真を拝見した所、拳が小さくても中が広い作りになっている旦系の籠手の方が水戸よりも良い仕事(技術的に)をしていると私は思いましたが、610先生はどういった点が水戸の方が優れているとお感じになられたか、少し詳しくレポート入れながらご教示お願い出来ましたら助かります。初コメでご無礼致しました。

  6. 木魂さん
    伺っていますヨ、、、ちょうど入れ違いのようにそこに行きましたから(笑)

    さて、左右差については職業柄なにか関係がありますかね?
    たぶん、左右均等な使い方はされていないだろうと推測しますし、成長が違うのかもしれませんね。

    別注に関してはね、、、汗というものでもないかと。
    すべてみんな違うわけですし、、、本来だったら使い方(握り方や振り方など)についてもしっかり話すべきことだと私は思っています。

    まぁ、ヲタクですね?
    貴殿の床とどっこいどっこいかもしれません。
    当たり前のことを当たり前にしてたり、してもらっているだけかと。

    今度、剣道にかかるヲタクの会でもしますか?
    よろしくお願いします。

  7. センセ達のお話を聞いてコテ注文しました。
    私は両手のサイズが違うので1ヵ月半ほど掛かるそうです。
    面や胴は、おデブなので見た目からして別注になるのは分ります。いやはや手までも別な理由で別注だなんて…トホホホホ
    いやしかし!今までの武道具屋さんはそんな事一ッ言も言わなかったぞ?これがヲタク道なのでしょうか^^;とても楽しみです。

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