先日、テレビを見ていたら、日本で一番店舗のある、とあるクリーニング店がでてきて、剣道具の洗濯をしていました。
10,500円もするとのこと。まぁ、脱臭とか、ブラシでとか、、、ヾ(゚Д゚ )

生革(昆布ではありません)
生革(昆布ではありません)

そして、つい、、、「ヲタクっぷり」ぶろぐです。

洗濯キターーー!!! って思う方もいると思いますが、まだまだです。
私自身、剣道具の洗濯のノウハウがありまして、、、剣道具の匂いは藍染や革の匂いで、汗臭くなったら当然洗うものと思っています。
匂いだけでなく、その効用は多々あります。
このぶろぐを読まれている方ではやく洗濯ネタをしろと思っている方が多くいることを知っています、、、が、でも、まあ、、、ゆっくりといきますよ。

とにかく、このブログの「ヲタクっぷり」の話では、思いつくままで段階は追っていませんが、道具の構造のことなど、基本的なことをしっかりと理解していてもらわないといけないと思っています。
現在のところ、材料のこととか、機能的なこと、仔細なことまでいろいろと触れてきました。
本ページの左サイドの「Labels」の「剣道具考」をクリックしていただければ、「ヲタクっぷり」シリーズが一覧出来る仕組みになっています・・・出来れば、いろいろと参考にしておいてほしいと思います。

さて、今回は写真にある「生革(きがわ・なまがわ)」の性質です。
手入れの問題、そして洗濯を考える場合、おさえておかないといけない材料でもありますね。


「生革」といって、ピンとくる方は少ないかもしれません。
先般の以下ブログで剣道具の材料について書きましたが、この材料には深く触れませんでしたね。
(ほかに多くの材料があったので、スミマセン)

> 拙ぶろぐ:古人の知恵「剣道具材料編」:ヲタクっぷり[2]

いま世の中に出回っている革は、石灰などに漬け、毛を抜いた後、「鞣す」ことによって、ずっと、柔らかく、しなやかな状態にしています。
この「鞣す」技術が、革を服やカバンなどに用いることできるようになった、革新的な技術でもあります。
鞣し革は、剣道においても小手や各布団の、多くの動きを求められる部分につかわれています。

一方、簡単にいってしまえば、生革はこの「鞣す」工程のないものさします。
剣道具では牛、水牛の生革を使っています。
この革の性質としては、水分を含むと柔らかくなり(すぐにはなりません、一晩くらい水につけます)、乾燥するとカチカチに硬くなるという特性があります。

一般的に知られているという点では、和太鼓の叩く部分に張られているのが、生革で、大きいものだと一頭分そのまま使います(やや、剣道のものと処理が違うような気もしますが)。

剣道具では、面のふちや胴台のおもて(漆が塗られている部分)に使われています。
これは硬さが必要な箇所であるからです。

大昔には、、、わたしはみたことしかありませんし、その被害にあったこともないのですが、、、
竹刀の先革を、この生革でつくったものもありました。
破けないとはいえ、迎え突きなどされたら、、、硬くて、痛くて、、、流血ものです、安全とは言えません(今では禁止されているはずです)。

竹刀ができるまでTOP
サイエンスチャンネル:THE MAKING:(156)剣道具ができるまで

さて、剣道具制作において、以下のブログの引用のURLの映像をみていただければ(以下の画像からもリンクしました)、生革が剣道具でどうつかわれているのかが理解してもらえると思います、、、面の縁とか胴台の表とか。

> 拙ぶろぐ:剣道具ができるまで:ヲタクっぷり[6]

先述しましたが、この革は、水分を含むと柔らかくなり、乾燥すると硬くなるのです。
一晩見ずに浸して柔らかくし、固くならない間に、職人さんは、カットして、漉いたり、縫ったり、掬ったり、目をたてたり、叩いたり、様々な工程をふみ、面を作成します。
その後、乾燥し、この生革が硬くなることを利用して、頑強な道具を作っていくわけです。ここで、難しいのは、水分を含んだ柔らかい間は膨らみますし、乾燥すると縮みもするというところです。
この塩梅も考えつつ、、、これが職人の技ともいえますね。

仕立前:水で戻すと革は膨らみ、柔らかくなります
仕立前:水で戻すと革は膨らみ、柔らかくなります

また、胴は、柔らかいうちに竹を組んだ土台に、生革を貼るのです。
胴台は古くは、竹を網代編みしていたのが昔の胴です(以下ブログの最初に遣わしていただいた写真の動画網代編みのものですね、参考まで)。
しかし、これ自体もう今はありません、、、網代編みをできる職人がもういないとか?!
(昨今、網代編みといっているものもありますが、昔のものと同じとは言えませんね)

> 拙ブログ:剣道具の布団の刺しの話:ヲタクっぷり[12]

竹を編むことから、竹の台の表に生革を貼り、網代編みのときの竹には直接塗れない漆が胴台の表面に塗れるように成りました。
このことにより、強度が増しただけでなく、漆が塗れるようになり(竹に直接には漆はのらないのです)、工芸的に価値の高い道具になったのも事実です。

そう、、、そして洗濯を視野にいれると、、、ここでの問題点は以下です。

つけ洗いをして水分を含ませると、当然、面の縁の生革も膨らみ、柔らかくなります。
胴は水につけませんよね・・・
漆ののったまま膨らんだの生革は、乾燥すると漆はしわ(亀裂)になることがあります。
これが漆でなく、カシュー塗料が使われていると最悪で、パリパリと剥がれてきます。

※漆は削れるように剥げていきます。一方カシュー塗料はパリパリと剥がれます。一見、似たような塗料ですが、経年変化で最終的には劇的に違います、カシューの剥がれ方はきれいではありません。
※カシューは簡単に乾き、安価な塗料です。比較的安価な剣道具に使用されています。

また、面の縁の生革の部分にに長く水分を保持させていくと、道具に余計な損壊を起こすことすらあります。
だから、剣道される方は毎回乾燥させるようにしているのも、旧来から受け継がれた道具の手入れの一端といえますね(衛生面などもあります)。
このことによる道具が壊れるのは、あまり仕立ての良くないものの場合に多いですけどね、、、。

後の濡れた状態で防具袋などにいれっぱなしはよくありません。
乾燥させる場合も、水分(汗)が多く含まれる場合に、面金を下におくと、面縁の生革に水分をおくることにもなります。
通気や日光消毒との問題もあるので、上を向けたり、下を向けたり、この乾燥の仕方についてはユーザーの塩梅といえましょう。

さらに、乾燥室。
これ自体は大変いいのですが、熱で乾燥させる乾燥室の場合は、あまりながく入れると、道具の劣化が進むとも言われています。
最近では送風・除湿を駆使しておこなっている、熱くならない乾燥室も出てきていますね。
このような、あまりの急速な乾燥、長く熱を与えておくこと自体、木綿と革製品ですから、あまりよくないのは当然なことでしょうね。

剣道する方でも、硬くて頑丈と思って、雑に扱う方々が 案外多いと思われます。
しかし、この頑丈な部分と柔らかい布団などの部分とが合わせて安全で動きやすい道具となっています。
ここが崩れると(割れていく経験のある方もいると思います)、一気に道具としての機能が損なわれます、、、重要なのです。
シッカリしているところと柔軟なところ、、、安全性と機能性の追求ってことになりますかね、これぞ道具の手入れの基本ですね。

話をすこし洗濯に戻して、、、重要なキーワードとなるのは、、、
洗濯する場合、乾燥させる場合、この革に水分をできるだけ残さない、、、短時間に洗濯乾燥を行うこと、脱水とでもいえましょうか。
あとは、天気の良さですね、、、天気予報をみてから洗濯を始めます、わたしは。

ということで、洗濯屋kenちゃん(古いな、、、汗)のヲタクっぷりの一端をみせたところで、今回のブログは終わり。
スミマセンね、相変わらずの結論なし。
これでは、みなさん、剣道具の洗濯はできませんね、、、まぁ、慌てず行きましょう、また後日。

ん、、、でもね、、、これ、、、おれ、、、洗濯のブログ書くより、サイドビジネスとして「剣道具洗濯」を1万円でヤッたほうがいいんでないか?
でもなぁ、ヒトの汗の匂いって耐えられるものじゃないし、無理だな、、、いや、イヤだ。

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3 のコメント

  1. 610先生

     大正15年生まれ、日大(途中学徒動員で海軍パイロット)出身、大阪刑務所では青鬼と呼ばれていた、くらいしか僕は知りません、伯父を知る人がいたら彼の剣道のスタイルがどんなだったか聞いてみたいもんです・・・

     僕が知る剣士としての伯父は地元(大阪府堺市)の中学校で真剣の試し切りを披露する姿くらいしか記憶にありません。

     ただ言いたいことをはっきり言いすぎる人だったおかげで周囲との衝突が絶えなかったようで、大阪刑務所も途中やめて実業団の監督かなにかを何年かやって出戻ってるみたいです。

     父親以上に影響を受けた伯父ですので、僕の文句いい(とくにツイッターでの)はここがルーツなんだと思います・・・(涙)。

    またよろしくお願いしますね。

    ホルモン塩で2人前
  2. ホル師さま

    コメントありがとうございます。
    伯父さま、、、すごい方だったのですね(汗)

    でも、その手入れされた道具はどうなったのでしょう、、、
    ヲタクとして気になりますが。

    ぜひ、西にいくときには一献お願いしたいものですm(__)m
    非常に簡単ですが、お礼申し上げます。

  3. 自分は剣道をするわけではありませんが、こういう人がコダワってるところをお聞きするのがたまらなく好きです。

    ワタシが幼いころ、週末ごとに剣道8段の伯父が縁側で剣道具か刀の手入れをしていた姿を見て育ちましたので、この辺のお話はたぶん聞かされているはずなんです・・・

    小学校に上がるときにはボール紙に漆を染み込ませた手作りの筆箱と鉛筆削り代わりの小刀をプレゼントされ、普通ならチビまる子ちゃんよろしく顔に縦線が入るところ、喜んでいただきプラモデルを塗装するときの筆入れにしました(学校には恥ずかしくて持っていけませんでしたが)。

    その伯父も隠居した鹿児島で昨年85歳で亡くなり、あのコダワリの剣道具たちはどうなったか、非常に気になる今日この頃です・・・

    ホルモン塩で2人前

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