大事に使ってるつもりですが、革も木綿も劣化します
大事に使ってるつもりですが、革も木綿も劣化します

この夏、アツいこともあるのか、剣道界の長年の懸案事項にたいする以下のポストが注目されているのかわかりませんが、「剣道具の洗濯シリーズ」にとても多くのアクセスをいただいています。
ちゃんと、以下3部作、セットで読んでいただき、背景や理屈、そして「自己責任」までを理解していただきたく思っています┏○

> 拙ぶろぐ: 剣道具の洗濯(理屈と経緯):ヲタクっぷり[17]
> 拙ぶろぐ: 剣道具の洗濯(本編):ヲタクっぷり[21]
> 拙ぶろぐ: 剣道具の洗濯(マニュアル編):ヲタクっぷり[22]

この結果、汗臭さからの開放をされ、気持ち良い剣道ライフを展開されているかたも多々いると思いますが、、、失敗談を少々きくようになったので、その点についてのことをちょっと触れておきたいと思います。

もっとはやくかけという声も聞こえそうですね、スミマセン。

そして、あらためて、、、剣道具の洗濯については、あくまでも自己責任です、はい( ー`дー´)キリッ

今回のテーマは、皮・革(かわ)の「ショウ」です、、、漢字は「漿」でいいのかな??
しっくりくるようなこないような・・・

※「漿:とろりとした液状のもの。汁。」

『皮・革(かわ)の「ショウ」がなくなる』という表現を、皮革製品をあつかう方々はつかうんですよね。


なくなるとどうなるかというと、皮革がパサパサな紙のようになり、ちぎることができます。普通なら、皮革自体は粘っこさがあって、手でちぎれるものではありません。

剣道をながくしている人なら、コテの手の内が乾燥しきったり、劣化した時に、ちぎれるようになったり、コテの頭の表の革がパンクからどんどんちぎれるように裂けていくというような経験があるかと思います。

またバッグを好きな方がおられたら、革のバッグを長い期間使わずにおいておいたら、革が劣化してパサパサで、表面は崩れるわ、ひどい場合は引っ張るときれたり、ということは知っていると思います。

30デシoverの小唐の鹿革
30デシoverの小唐の鹿革

まずですね、、、皮革はほっておくと、角化します。
この硬くなる性質を利用するのが、面の縁やら胴台のおもてにつかう生革です。

> 拙ぶろぐ: 生革のはなし:ヲタクっぷり[14]

ここから、「鞣す」という作業がはいり、、、バッグなどにもつかわれる、かたくなりにくく、柔らかいなめらかなものにするのです。

その際に昔は「脳漿鞣し(ブレインタン)」という手法があり、動物の脳を使って鞣したようです。
剣道具に使われる革もこのように鞣されていいたようです。
これはとてもしなやかに仕上がり、さらにはそのなめらかさが長く持ち劣化に強いなどいう特性があるようです。
しかし、とても手間がかかること、匂いがきついなどということもあり、現在では化学薬品やオイルなどによって鞣されているのがほとんどになっているようです。

さらに剣道で使う革としては、鹿革の鞣したものをさらに手を加えていくのが、燻して強みをだした茶革、さらにそれを藍染めした紺革、また、牛革に漆をかけながらシボを出して強さとしなやかさがでた黒残(クロザン)革などがあります。

この鞣す過程があるから、「ショウ」は「漿」でいいんだろうなとは思っているのですけど、、、。
どうなんでしょうね、しらべきれないので、間違っていたらスミマセン、、、まぁ、ぶろぐだからお許しあれ。
ご存知のかたおられましたら、ご享受ください。

 

面の縁を掬って綴じたところ
面の縁を掬って綴じたところ

さて、面の仕立ての一端としては、、、面布団の革、木綿を掬いつつ、生革と接合していきます。

まずは面を綴じていることは、面のフチの生革の「ショウ」がなくなったらダメなんです。
また、布団のほうの革や木綿生地が劣化してもダメなんです、、、
汗の塩分等がたまったことによる影響、さらには打突などの摩擦等によって、これの革・生地も劣化していきます。
ですから、早い段階で洗濯して汗による劣化を防ぐのも一理あるんです。

ちなみに、ちょっと余談。
織地などの生地を使う場合は、面金に向かうように織地の刺し子の方向をむけます、、、これは平行だと強度がなくなるからです。
以前のポストにある剣道着と柔道衣の違いみたいなことですね。

> 拙ぶろぐ: 道着・道衣の話:ヲタクっぷり[15]

そして、、、革製品を濡らしたり、叩いたりするということ自体、一般常識的にありえないことかもしれませんしね、、、剣道は贅沢の極みともいえる使い方かもしれません(汗)
ただ、生命をまもるということから端を発してるのであれば当然なのかな、この極みは。

またさらに余談。
よく、この掬う目の数が多いことで良し悪しをいう方々がいますが、多すぎれば革や布団の生地に多くの穴を開けていることになりますので、綴じていることの強度、および、生革自体にも多くの穴が開けられるわけで、生革自体の強度にどうなるかはおしてしるべしということになると思っています。
こまかい仕事はいい仕事とも思えますが、材料・素材に負担をかけていることになるんです。
それよりも、しっかりと布団の部分を救ってつくってあるかなど、道具つくりの仕事としてみるべき点はあるんですね。

では、冒頭の剣道具の洗濯、洗濯機で回しての洗濯の可否に関して少々突っ込んだ話にすると、生革の劣化もそうなのですが、この部分の、布団革の革・木綿が劣化しているものは、すでに洗濯する以前の問題かと思っています。

失敗されるパターンでは、この革・木綿の劣化を見極められず、極端な例は面布団が外れてしまうということがあるからなんです。

「鉢巻」といわれる、面の顎の横に顎と面金をまとめている生革と布団をつないでいる中結のような革がありますが、これが切れている場合も、洗濯機で回す場合には、布団の可動を抑えきれずに、道具の破損が進行する場合もあります。

要するにですね、、、コテもそうなのですが、皮・革(かわ)に「ショウ」のないものは、洗濯に耐えられないということです。
稽古で汗だくになるんだから、水に濡れてもいいんじゃないかという発想をもとに「剣道具の洗濯」が展開されていますが、稽古より、汗だくになって、ガンガン揉まれているという状況下に、そのご自分の剣道具が耐えられるのかということを考えないといけないということです。

とにかく、、、革の一端をつまんだり、引っ張ってみて、さける、さけそうになる(「ショウ」がない)ということであれば、NGです。
つまり、ぼろぼろになって洗うというより、早めに洗う、予防医療みたいなものでしょうか、、、そうすると道具の長持ちにもなりますし、いつまでも臭くなく、愛着をもって使えるのではないでしょうか???

あとは、コテなどの場合。
いわゆるパンク、ケラの部分がさけてなかの毛が出ようとしている場合に洗濯機で回すことは非常に危険です。
これは、あきらかにわかると思います、、、ヘタをすると、そこの縫い合わせが悪いということですから毛がはみ出してなくなるということだけではなく、より切れている部分が広く、分解してしまうことすらあるでしょうね。

まぁ、かなり極論っぽいことを書いていますが、今回は洗濯に耐えうる剣道具の状態の見極めとして、皮・革(かわ)の「ショウ」ということを取り上げてみました。
これを主題にするなら、漢字くらい調べないといけないのですが(反省)
あくまでも、剣道具の洗濯については、自己責任ということを大前提としての拙稿、、、すこしでも参考になれば幸いです。

と、最後になって気づきましたが、ヲタクっぷりシリーズも30本目ですね、、、まだまだガンバリマス。
皆さん、今後もご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

 

 

<2012/09/02 追記>
面の洗濯の失敗例の写真を入手しました、、、極端な例ですけど。
天の部分をみればわかりますが、面の縁の生革の「ショウ」はありませんし、こういう場合には洗濯をしてはいけないこととなります・・・こういうふうに、汗をすって革が劣化する前に、汗を出してあげる(=洗濯をする)ことをこまめにするといいのですが。
また、 鉢巻の部分の革も、そもそも切れていたのかと想像します、、、布団の革や木綿の状態、綴じている革などなど素材の状態もそうですが、仕立てもけっしていいものとは言えなそうですね。

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