とても個人的なこともあるので、よろしければお読みください(笑)
剣道家を目指すセンセのわたくしのヲタクっぷりにも、剣道家もセンセも目指しているんだけどヲタクも目指している妙なデシがいたりします、、、彼が勝手にデシというんです、自称なんです。
カレ、まだまだ、「グ」だくさんの「愚」デシです、、、とはいっても、将来は博士になって、すべてでわたしを超えてくれるでしょうね、楽しみです!!!
ここでは、仮りに「たっちゃん」としておきます(笑)
このデシ、たっちゃんが、わたくしの稽古用の胴胸の交換をしてくれました(写真)。
この胴胸と胴台を綴じるということ自体は、2本の紐状になった綴じ革で、表と裏から通していくので、比較的単純なことなのですが、、、(以下ポストから動画、11分18秒くらいからをみてください)
こういう職人さんのシゴトというのは、スキでないと本当にできないなぁと思うことですし、その単純にみえるようなことの奥深さをやらないとわからないし、やるともっとわかるというかわからなくなるし、、、ということでいっぱいです。
以前、とある剣道日本チャンピオンが「誰にもできることを誰にもできないくらいやることが大事」と言っていたことが、いま書きながら去来しています。
さぁ、ガンガン使わせてもらいますよ、たっちゃん、ありがとう。
でも、デシのたっちゃんが、けっこう知らないことが多かったもので、、、
つまりは今の若いヒトの多くも知らないことかもしれないと思い、メモとして、胴のことについて、お礼かたかだ書いておきます。
そもそも、以前のポストにあるように、胴は大きくは胴胸と胴台のふたつのパーツでできていて、それぞれにあるいわゆる「R」、カーブを合わせるのが重要です(以下参考)。
ここができればとお思いでしょうが、ここばかりでなく、たった2つのパーツを合わせるのにも、穴うち、綴じる力加減などけっこうワザがあるんですよね、、、それによって、微妙に個々人に合わせたものを作り出していくんですね。
わたしも以前綴じたことがありますが、、穴打ちしてもらったうえ、綴じ革の始末はまる任せで編むだけ、、、わたくしは型もおこせないし、穴も打てないし、やはりユーザーでいいということとなりましたし、たっちゃんがここらへんはどう思ったかな。
> 拙ぶろぐ:胴のあーる話とデザイナー誕生?!:ヲタクっぷり[34]
さて、素人ヲタク(私も同じですが)の初心者(?、、、中級くらいかもしれません)、たっちゃんにとって、今回の胴を仕組むにあたって、大変だったと思います。
それは、、、それぞれ中古のパーツであり、胴胸にはすでに違う本数用の穴打ちがされてたんです。
使える穴は使って、ないところは補強とかあらたに穴うちして、、、ホントごくろうさまでした、とても思いのあるシゴト、ありがとうございました。
昔の職人には、ポンチは革にただただ穴をあけてしまうことになるので、平刃の彫刻刀で穴打ち(?)をしていたヒトもいると聞きます。
これだと、胴胸を再利用、胴台の交換などは(それぞれの「R」が合えば)、比較的キレイなシゴトとなったでしょうね。
当時は革も何もいまより高級品で、再利用するってのが前提だったのかもしれません。
さて、話を戻しましょう。
たっちゃんのシゴトの件、、、わたしがわたしに対しての思いを感じているのは、以下のポイントなんですね、これまたヲタクですね、わたくし。
そのポイントとは、結構しっかり綴じているなぁってところです(以下の写真は別の胴です)。
今回は胴胸、胴台の上の部分ですが、これが胴台の下の部分だと(上写真)、垂れと擦れる部分となります。
そもそも擦れるんですが、、、胴を低く着けて帯じゃない部分を擦れるようにしてるヒトは、サイズが合ってないなどもあるかもしれませんが、ナンセンスなわけです。
ここの綴じ革の締まり具合、、、浮いていると垂れの帯の部分をいためることになります。
まぁ、浮いてるってのは胴自体にもしまりがなく、ひどい場合にはガタガタな感じにもなります。
スレの軽減でいえば、木槌などで叩いてやるだけでも、ボコボコは減って、断然効果が出てきますよ、、、上写真の状況でも叩いた方がいいかもしれないですね。
剣道具店さんがやってくれるといいのですが、製造販売ならまだしも、販売だけのところもありますし、こういう知識のないところもありますからね。
ユーザーもいろいろと工夫あるべきかなと。
つづいて、この上の写真は、綴じ革のクロザン革を返して、表裏ともにクロザンの表面がでるように綴じる方法です。
しっかり締まっているし、いい仕事であることは一目瞭然かと、、、他の仕事もいいです。
綴じ革が、胴の裏、身体と触れる部分、擦れるほうもオモテになっていることで、汗の吸い込みが少なくなること、さらには革のオモテであり摩擦が少なく、スレに強くなります。
正直綴じるときに毎回毎回ねじることになるので、手間は倍くらいかかるんです、でも効果はあるんですよね。
ちなみに、これ70本の胴台なのでホント大変だったと思います、、、実はわたしのものなのですが、出来上がったときには感動ものでした!
次のこの上の写真は、もっともっと、もっともっと古いものです。
うまく撮影できていませんが、漆がかかっているのがおわかりでしょうか?
革の部分に漆がかけてあります。
このことにより、汗に強くし、摩擦を軽減して、スレに強くして、さらには硬さを出しています。
昔は胴胸の裏全部を漆かけて、強度を増していたものもありましたね、、、これ、たっちゃん知らなかった(笑)
ちなみに、この写真見て、彫られている文字とかに反応したらそれはホントのヲタクですネ 、、、笑
あ、あと反応したらヲタクだなってのは、胴台の裏の朱色ですかね。
表裏ともに表面を出しているものと、漆をかけているものの朱色は朱漆です。
朱漆は、水銀を使用しないとならないらしく、もうなかなか作れません。
したがって、昨今の多くの胴台の裏の赤は漆ではありません。
朱色については、以前書いたと思いますが、たっちゃんが知らなかったので、改めて書きますが、以下から来ているはずです。
「丹塗り」
これはしっかりそれぞれで調べてもらいたいんですけど、、、鮮血の色で、それで結界を張るというか、魔除けの色だそうです。
神社仏閣の鳥居とかは朱色です、これは日本だけでなく、アジアでは多いです。
こういう色づかいの意味も、道具の中に少しは込められていると思っていますし、知っておいたらステキだと思いますよ。
色については以下のポストがありました、ご参考まで。
> 拙ぶろぐ:道具の色とそのおもい、世界へ!…:ヲタクっぷり[28]
あとはホント余談。
胴の裏の真ん中にある革の輪っか(?)、、、たっちゃん知らなかったねぇ、ヲタクとかいう以前かもねぇ。
ここは、お守りをつけるものではありません、、、(笑)
昔はこの輪っかを介して、面・小手・胴・垂のすべてを道具の紐をつかってまとめて、壁に引っ掛けて乾燥させるのが、剣道具の保管方法でしたので、それの名残ですね。
もう、昨今のことだと必要ないものかもしれませんね、、、いや、やはりお守りをつけるところか???
と、胴にかかることを書き連ねましたが、、、兎にも角にもこうやって、職人さんだけでなく、いろんなヒトに、わたくしの剣道ライフは支えられてます。
ありがたいとともに、ボク自身、ガンバりますね、もっともっと。
追伸、、、
しかし、こういうたっちゃんも、わたしから胴台を、店から胴胸を、、、しかもそれぞれ歴史あるとてつもなくいいシゴトのものを、ゲットして、自分で組んで自分の胴にしちゃう、縁と運とをもっていたりします、可愛がられています、、、
ホントいい胴だなぁ、、、いいもの手に入れたねぇ。
でも、これに合わせる道具をつくるのは金持ちにならないとならないねぇ、、、剣道家とかセンセとか研究者とかじゃムリではないかと、陰ながら彼の先行きを心配しておきましょう(笑)
初コメントですね!
まずはじめに、このような貴重な機会をつくっていただきありがとうございました。この場をお借りいたしましてお礼申し上げますm(_ _)m
胴を閉じて私が感じたことはといいますと、やはり私も師匠とおなじユーザーだと、、、(笑)
なぜかといいますと、確かに本稿にも書いてあるように、単純に見えて奥深い、、、実際にやってみないとわからないことがたくさんありました。師匠はスキでないと本当にできないなぁとおっしゃっていましたが、私はこういうのスキです(笑)しかも、今回閉じた胴は私のと師匠のですし、自分で言うのもなんですがいろいろな思いを込めました(笑)
でもですね、胴を閉じている最中に、これ、他の人の道具だったらとふと感じてしまったんです。もうこの時点で私はユーザーだなぁと、、、
ここが職人さんと素人との差だと、、、
技術的な面はもちろん、気持ち(思い)の面でもひとつひとつの仕事に対する職人さんのすごさを感じましたし、それを誰にもできないくらいやっているですから頭が上がりません。
本当に貴重な経験から多くのことを学ばせていただくことができました。
胴のことに関しては、、、あまりにも知らなくてヲタクを名乗るにはまだまだ程遠いですね(;^ω^)グだくさんの『愚』デシですのでもっともっと勉強せねば。しっかり勉強いたしますと共にこれからもよろしくお願い致します!!!