「奴」
「やつ」とよめば三人称のこと、「ぬ」とか、「な」とかも読めます。
「やっこ」といった場合は、Wikipediaでは以下です。
武家に働く者の中でも低い身分にあたり、「中間(ちゅうげん)」や「折助(おりすけ)」と呼ばれていた武家奉公人を、蔑むときの呼び名である。「家つ子」(やつこ)が語源であるとされる。
正直なところ、どう読んだとしても、あまりいい言葉ではないですよね。
どうして、「奴小手」とよんだんでしょうね。。。
最近では、「奴小手」自体をあまりみなくなってきています、、、これも後で推測しています。
つまり、もう今は必要ないどうでもいい戯言ポストとなるかもしれませんが、おつきあいください。
この「奴」という名称が、織地(刺地)に革をあてて、剣道具に用いるものを称するなら、「奴面」「奴垂」だってあるだろうにとおもいますが、なぜかそういう名称はありません。
すこし調べたところ、、、「奴小手」については、以下のようなネット上に説明しているのをみつけました。
甲手頭の半分が紺革で出来ているものです。
名前の由来は形が奴さんに似ていることからと言う説があります。
まぁ、これである程度、面・垂に「奴」がないと説明がつきますが、折り紙でいうような「奴」とにているのか、、、ということ自体、やはりもう一つ説明がつかないんじゃないかなと思います。
ということで、「奴」という名称について、勝手な推察をすることとしました(笑)
間違っていたら、ぜひご指導のほどよろしくお願いいたします。
こころよりお待ちしております。
そもそも、昔の剣道具の材料の流通を考えると、以下のことが言えると思います。
革=貴重品
布=普及品
そして、布をいろいろと工夫をして、刺し子(刺地・織地)をつくりだし、強さ・衝撃緩衝などを出してきたことが、過去の拙ポストですこし書いてきています。
この編む作業は、その当時、刺し子などは丁稚の手作業ともいわれていたようです。
いまよりも人件費の高くない時代です。
したがって、稽古着が手刺しであるとか、刺地がふんだんにあるのも決して珍しいこともなかったでしょう。
逆をいうと、ミシンなどの機械がなかったので、手でやるしかなかったんです。
さて、剣道も盛んになっていく中で、安価な剣道具の開発として、剣道具の革の部分に刺し子(刺地)を使おうということが始まりではないかと考えています。
まぁ、現在では質の悪い革もおおいし、そのせいか、一概に革がいいとも言えない時代になってきてしまったのが残念ですね。
そこはさておき、そしてなにより、「ミシン」という文明の利器がいろいろなことを変えていったのではないでしょうか???
つまり、いまは織地などの布を裁断して切り口といった布の端、縫う部分の強化はミシンで処理できるようになり、布だけでも剣道という激しい運動の用具としての縫製に耐えうるようになりました。
ミシンがないことでその昔は、布の端の処理ができず、革をあて、現在いわれる「奴」という製造方法の小手(道具)ができたのではないかと考えています。
事実、大昔、織地だけでつくられている小手は見たことがないことからも、かなり有力な推測だと自負しています!?笑
しかも、奴の小手をつくるにあたって、あてる革は、あまった革を使用したと言われています、、、(ここは昔の作業をしっている職人さんからきいていますから、たぶん間違いないです)。
再利用ですし、革を使う量もすくないから、一石二鳥ってはなしだったんですね。
そして、、、
「値段が安い=身分が低い」、、、「奴」
ってことでいいのでしょうか???
なんだか、どうして道具にこんな名称つけてしまったのか、ちょっと釈然としないですけど、こうなんでしょうかね。
スミマセン、、、推測するんだって言っておいて、結論に自信が持ちきれない、、、毎度ですが、堂々巡りの結論なしでお許しあれ。
さて、少々話の方向を変えていきます。
現在では、世の中の物流もかわり、労働のありかたもかわってきています。
世界規模での物流により、革も多く出回っています(限界はありますから、みなさん大切に使いましょう!)。
その一方で、手作業ほど高価なものはなく、人件費がむかしの比にはならない時代です。
つまり、ミシンがつかえて織地だけでつくる小手より、革だけでつくる小手より、革をあてて、纏って、つくっていく「奴」の小手のほうがはるかに手間と作業がかかる、、、つまり高価になってしかるべきなんです。
ところが、奴のコテについての価格設定について、剣道具業界は道具まで昔のヒエラルキーを保ち続けて、値段をつけていますよね、、、大丈夫かな?!
余談となりますが、棒高跳びのポールの竹がカーボンに凌駕されたように、手刺しがミシン刺しに取って代わるとか、このようなことがあってもいいもののなかなかそれが起きない、、、
これは価格ということではなく、まったくすべてがミシンになるってことですが、それはそれでよくないのは思ってるものの、なくはないでしょう、、、でも、個人的には望むわけでなく、機械にはおよばないテクニックってのもオモシロいはずはなんです、でもまぁ、いろんなむずかしさがありそうなので、この余談はここまでで。。
さてさて、、、
単に布の縫製のための強化として革をあてるのはあくまでも私の推測かもしれません。
でも、革をあてることを、いつの間にか、衝撃緩衝だという捉え方をしている説明したり、理解していることが、非常に多いというのも気になっているところです。
この説明からなんでしょうか、奴のコテは、打たれる方向に対するガードとしての部分に多くの革を貼っています(冒頭の写真参考)。
竹刀での叩かれることの衝撃ばかり考えているんですね、、、人差し指・中指の付け根の部分の拳あたりに多く革がはられていますね。
革に衝撃緩衝能力があるのは事実でしょう。
これは経験上からも、織地の小手と革の小手をくらべたら、はるかに織地の小手のほうがイタいことからもわかることと思います。
ただし、こちらはカラダでも痛みに強い部分でもありますし(パンチする部分ですから、強いはずですね)、ここに貼る革での衝撃緩衝より小手アタマの本来の機能(鹿毛など)で対処されるべきですよね。
では、防具・プロテクターとしての本質を考えると、、、ここよりも、小指や親指の外側の部分のほうが体当たりや竹刀があたると、泣くほどイタいんですよね、、、
実際よく稽古しているひとは、お分かりだと思います。
つまり、いまの奴小手の革の貼り方は、アタマの周辺のヘリの部分に貼るのはアタリマエとしても、拳の部分については機能としてまったく不要なところに革を無駄につかって使っているように思えてしかたありません。
本来は、この小指・薬指の指先、親指の外側になるヘリの部分を強化するように革をはってほしいというのが、奴の小手で革を衝撃緩衝に使う意味になるだろうなと切に思うわけで、、、この業界さんへのお願いなんですよ。
ということで、、、この理論的なアプローチ、すなわち、小指・薬指の指先、親指の外側に革を当ててもらう方がいいんじゃないかということ、、、お願いしてみました。
現代版というか、本質追究の奴小手、今の革あての逆バージョンの作成、、、
結果的に、まぁ自己責任ということで、また自分でデザイナーしちゃいました、はい(笑)
できてみないとわからないところもあるんですけど、そこそこイケると思いますよ!!!
(写真参考 そして以下ポスト以来のデザイナー)
> 拙ぶろぐ。:胴のあーる話とデザイナー誕生?!:ヲタクっぷり[34]
でも、そもそも奴(やっこ)なるスタイルは今の時代なくなってもいいかもしれないんです、、、
そうはいっても、こういう理論的なことで、どうでもいい拘り発揮するところがヲタクなんですねぇ。
ということで、以上、今回も、特に結論のないヲタクの戯言でした(笑)
稽古不足がこんな稽古実践用の剣道具のこと言ってる場合でないな、、、稽古しないと。