剣道家をめざすセンセのぶろぐ。

「師弟同行」教うるは学ぶの半ばなり、、、どちらもまだまだです。

2011年 剣道用具考

剣道具の洗濯(本編):ヲタクっぷり[21]

剣道具の洗濯:こんなかんじです!
剣道具の洗濯:こんなかんじです!

台風一過、こういう日は洗濯日和です。また夏休みも終わりましたし、夏の修行の汗がタップリと染み込んでるとおもいます、、、
期待の洗濯のはなしの本編ですね、、、おまたせしました。

さて、、、まっさきにお願いしておきますが、これらのことは、あくまでも自己責任でお願いします。

わたしが、お伝えして、実施をしたほとんどの方は大成功をして、感謝してくれ、よろこんでもらえているんです。
大先生から有名選手、有名店などなど、、、いろいろな方々に。
とある大手クリーニング店では1万円も取るというのですから、、、水商売になるかもしれません(笑)
ただ、しかし、、、ごく一部失敗したという例があるんですね。
つまりですね、それだけ粗悪な道具があるということもふまえておかないといけません。

兎にも角にも、自己責任でお願いします、責任は取りかねます。

まず、前回の洗濯話(以下)でその経緯を語りましたが、、、その続きです。

> 拙ぶろぐ:剣道具の洗濯(理屈と経緯):ヲタクっぷり[17]


そうなんです、、、ツケ洗いするにタライがないので、タライとして洗濯機の洗濯槽を使おうと、、、ハイ。
そこでの勘違いというか、、、そこに、スイッチがあったから、押して回してみちゃったんですよ(笑)

結果的には、良かった、いや、この上ない方法となったんです、、、いろんな面において。

ツケ洗いのように、自ら出した汚れとともに漬かっているということもなく、何度も水を入れ替えて、「すすぎ」もしてくれるので、汚れもとてもおちることになります。
洗濯槽が面とぶつかることで、面が壊れるという心配に対しては、そんなにヤワにできていては防具としては、、、ということです、大した問題ではありません。
洗濯機のほうがやや心配もありますが、だいたいうえを向けて回せば(冒頭の写真)、だいたい、そのまま上をむいて回り続けてくれます。
また、ツケ洗いにはない、洗濯槽が回ることにより、揉んだりもしてくれますので、とてもイイのです。
そしてなにより、「脱水」もしてくれますので、洗濯後の乾燥もはやく、ツケ洗いより面縁の生革への水分による悪影響も少なくなります。

なお、生革については以下参照。
またこの部分への水分をいかせない乾燥のさせかたも以下参照。
道具の構造などをよく知って乾燥させることは肝要です、、、これは洗ったあとだけでなく汗かいたあとも同様です。

> 拙ぶろぐ:生革のはなし:ヲタクっぷり[14]
> 拙ぶろぐ : 剣道具乾燥の秘密兵器:ヲタクっぷり[5]

さらに、皮革も急に乾かすと縮むこともあるので、うまく伸ばしながら乾かしてあげるとかも重要ですね。
こういった道具の構造や材料の知識などについては、ラベルの「剣道具考」からいろいろと参照にしてください。

それでは、簡単に手順といきたいと思います。
まず、汗は無味無臭です、、、これは前回の『「理屈と経緯」のぶろぐ』にかきましたね。

ということで、悪臭の原因となる皮脂などの汚れはできるだけ落とすにつきます。
たとえば、コテの筒の裏、面布団の耳の周りや内輪(包輪)の内側などには皮脂がこびりついています。
これは靴ブラシなどで落とすといいでしょう。
女性で化粧されたままつけている場合などは、まったくもって、もうヽ(`Д´)ノプンプン、、、この過程は必要です。

次に、原則として皮革に洗剤をつかうのはNGです。
皮革そのものは脂分によるうるおいがあるから、あのなめらかさと強さをもつのです。
革が弱くなって、紙のようにちぎると破けてしまうのはコテの手の内などでも経験したことが、長く剣道をしたヒトならあると思います。
つまり、脂分は重要なのです。
したがって、洗剤は使いません。
ただし、、、あまりにもコテの手の内の革の中に、自分の皮脂がたまっている場合などは、手に液体石鹸をつけてから片方ずつ手を洗う要領で洗ってから、洗濯機にいれるというのも、皮脂を落とすという効果からはあります(これくらいの少量の洗剤はもんだいありません)。

そして、もう一つ革の大敵は、乾燥しすぎることです、、、お肌と一緒かな、あはは。
革は、水分を吸ったあとに乾かすと、乾燥しすぎて、かたくカチカチになることが多々あります。
乾く過程で、揉みながら、手や顔を入れながら、自分に合うように整形しつつ乾かしていく「道具愛」も必要かと思います。

さて、前回の洗濯ぶろぐで、「ファ◯リーズ」を批判しました、この製品は保湿性があり、汗と一緒になるといい効果がないということでした。
このP&G社の柔軟剤の「レノア」、、、これは「ファ◯リーズ」と同様の性質をもつ柔軟剤です。
まず、汗による悪臭に強い、、、剣道着ならこれで洗えば数回は汗だくで乾かしても何とか着ることができます、、、これは私自身、洗濯のできない海外での剣道をしたときに使用して経験済み、、、この効果はCMでもいっていますよね。
そして、保湿性があるので、革のためには持って来いです。
ましてや臭いにも強いということは、毎回のように洗濯のできない剣道具には、まさに一石二鳥です。
※ただ、直接革にかけるとべったりとしみのようになる場合がありますから要注意。

そして、洗濯は普通に全自動のひと通りのコースを、深く考えずに「自動」でやるだけです。
(ひもも付けたままでOK、垂もコテもOK、、、胴はひもだけですね)

洗濯ネットは必須です!
洗濯ネットは必須です!

ただし、、、それぞれの道具をネットに入れてください。
ネットに入れないと、面布団のヘリやコテの革が擦れていたむ場合があります(はい、何度か最初の時は失敗しました、、、orz)。

また、洗濯ネットに入れることについてですが、、、
できればコテは片方ずつ、、、というように、一つのネットに全部を入れるのではなく、多くのネットをつかって、洗濯槽に入れて下さいね。
一つのネットに入れて、洗濯槽内で洗濯物が偏ると、洗濯機への負担がかかり、故障の要因となる時があるようです、、、これは電気屋さんで洗濯機の優しい使い方ということで伺いました。
そう、剣道着や袴を洗濯するときも同様(いや、家庭の洗濯でも同様)で、それぞれ、一枚ずつネットに小分けにして、入れたほうがいいようです。

大きな洗濯機でかたよる心配があるときは、いらないバスタオルやコテをもう一組入れるとかするといいでしょうね。
洗濯槽への面金などの衝突も減るでしょうから。

なお、、、あと注意することは、、、

面では、カンヌキの部分(面の顎の部分の生革と布団を止めてある箇所)や生革そのものが塗装が剥がれてパサパサに劣化しているものや布団とばらばらになりかけているもの。
コテや垂では、布団同士や、布団と頭が壊れて取れそうになっているもの、小手の頭がパンクしているもの。
などはダメですね、壊すばかりです。
こういう道具の状態の見極めは重要ですね。

また、水につける時間や乾燥にかかった時間、摩耗などによる革の水分の吸い込み具合の違いによって、乾燥後、漆がややヒビ割れのようになる場合もあります。
できるだけ、晴天の乾燥している日にやるといいですね。

小手は手の内の交換を決めたときは、手の内の革をヘリに沿ってキレイにハサミ等でカットして、洗濯してから、修理に出すと最高です。
手の内の革を切れば、頭の中までブラシで洗えますし、最高です。
※修理する方も感激しますね。

大切なことをわすれていました、、、

この方法は、全自動洗濯機で、ドラム式でない「縦型洗濯機」で行うことが大前提でした。
「ドラム式洗濯機」で、どうなるかはわかりません、、、コテは大丈夫でしょうけど、面はコワいですね。
いまの家電業界の流れをみていると、一概に「ドラム式洗濯機」がいいということではないようなので、、、「縦型洗濯機」はなくならないといっていました。
しかし、将来もしかしたら「縦型洗濯機」がなくなり、この方法もできなくなるかもしれません、あはは。

剣道具の洗濯によって、得られる効果は以下でしょう。

私の汚れの限界?!
私の汚れの限界?!

まず、当然臭いがとれます、、、柔軟剤をつかうとこれのイイ香りもつきます。
そして臭いの元となる皮脂や乾きにくい元となる汗による塩分もぬけます。
このことによって、稽古後に水分や汗を留めておく元を少なくするので、乾きやすくなりますし、柔らかく、軽く感じるようになります。
そして、道具の衝撃緩衝のもととなる、綿(わた)にあらためて空気をいれることになるので、柔らかさとともに、衝撃緩衝能力もやや戻ることとなるといえましょう。

このように、決して悪いことはないと思います。
私自身、シーズンごとに少なくとも年に2〜3回は洗濯をしています(写真の汚れ程度でかなり私の限界です)。
洗濯をしつつ、修理もしているのですが(修理自体は回数もへりました)、稽古用に使っている小手なんかは10年選手になりましたね。

まぁ、とにかく、お試しあれ!

 

ですが、、、あえて、また最後に言っておきます。
かなり今までの剣道具に関する常識とは離れているところもあります、、、常識が正しいとはいえませんけど。
ただ、汗でびしょびしょにするなら、こんな洗濯の時間くらい水にぬれても、、、ということです。

そういうことも含めて、ぜったい、“自己責任”で行なってくださいね、、、当方、責任はとれませんから(汗)

乾燥は風が一番かも
乾燥は風が一番かも

追加、、、乾燥は熱より風が効果的なようです(写真、、、職場の自室にて、あはは)
天気がよく、乾燥している日などでは、風を与えながらやれば次の日に使えることもあります。
以上、剣道具の洗濯講座でした。

 

 

<2011/09/23追記>
色落ちについて、記述していませんでしたので追記しておきます。
色落ちはほぼ気にならない範囲だと思っていただいてかまいません。
剣道着袴を数回洗っても、たいして変わらないのと同じです。

 

<2011/10/01追記>
実際、実施するにあたってのマニュアルっぽく、続編を書きました。
以下、ご参考まで。

> 拙ぶろぐ:剣道具の洗濯(マニュアル編):ヲタクっぷり[22]

 

<2012/09/17追記>
衝撃(?)の失敗例の写真付きで、洗濯時にも注意すべき事項についてのポストを書きました(2012/08/29)。
ちょっとだけ、見極めも必要です、、、そもそも壊れてるものを洗濯したらダメですけどね。

> 拙ぶろぐ:皮・革(かわ)の「ショウ」:ヲタクっぷり[30]

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4 コメント

  1. うちドラム式なんですよ〜!
    残念だ〜〜〜!。。。やってみようかなあ。(もちろん旦那のを、です。)

  2. senkenrenさん、BECK75Nさん、コメントありがとうございます。

    ちょっと、違っていますかね???アハハ、、、(汗)
    めいっぱいど真ん中を歩こうとしていますよ、界の(笑)

    いや、、、そうでもないか。

    かつて、乾燥させようと、コテを電子レンジ入れたことがあります、、、
    革が破裂しました、、、大失敗でした。

    はい、ちょっとどころじゃなく、すごく変わっていますね。
    まぁ、「失敗は成功のもと」とも、プラスにプラスにです!

    ただ、この方法に関しては、すでに10年以上やっていますから、だいたい大丈夫ですね。
    ホント、お試しあれです。

    今後もよろしくお願いいたします。

  3. すごい! 一度”チャレンジ”したみたいと思います!
    っが、ちょっと恐いって感じもします。。。 

    いやぁ~、それにしても、いつも“ちょっと違った視点”が
    おもしろいです!

  4. いつも楽しく、なるほど・・・と思いながら拝読させていただいております。洗濯講座本編!楽しみにしておりました。全自動コース投入にお口アングリでした。小生もこの夏自分の防具に耐え切れず手洗いの暴挙に出ました。短時間にと思い洗剤なしのシャワーとたわしでの汚れ落とし、隙間にバスタオル詰めまくりでの脱水のみ、天井から吊るして扇風機での乾燥、成果は上々でした。
     ボチボチ涼しくなってきましたので柔軟剤と全自動で再チャレンジしてみます。ありがとうございました。

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