剣道家をめざすセンセのぶろぐ。

「師弟同行」教うるは学ぶの半ばなり、、、どちらもまだまだです。

2011年 剣道論

剣道の「足さばき」の用語考

2011/9東京八段選抜剣道大会のひとこま
2011/9東京八段選抜剣道大会のひとこま

東京の八段戦の見学をしました。足のいい先生方はいいなぁとホレボレします……。
前回ぶろぐでの床のこと、その際に足を通しての感覚のことを考えなおしましたので、このネタを思いついたかもしれません。

> 拙ぶろぐ:剣道場の床のこと 序:ヲタクっぷり[19]

また、以前に「一眼二足三胆四力」の一番目「眼」の周辺をネタとしましたが(以下)、今度はその二番目のあたりということでしょうか。

> 拙ぶろぐ:「目付」:剣道の‘教え’を考える[5]

といっても、先に謝っておきましょう、、、あくまでも周辺ネタで、今回も足さばきについてのネタというより、ただの用語の整理になってしまっています。
過去にとあるところで、友達とつぶやきあった経緯もあり、一度整理してみたいともおもっていたので、、、

「あし」からず。

足の運用、足さばきは、剣道にとって重要です。
剣道は、移動と打突の運動を組み合わせたものといえますし、どのように組み合わせて有効打突にしていくのかが命題となりましょう。
そして、これはどんな競技でも当然なのですが、移動動作はすべてのベースになるものですからね。


私自身いろいろな講習会に参加させていただきましたが、指導などでの用語が乱れているのではないかと常々思うこともあるのです。
その整理も含めて、またまた少々問題の喚起をしておきたいと思います。

まず、剣道の指導書における足の運用に関する用語は、以下でしょうか。

「歩み足」、「送り足」、「開き足」、「継ぎ足」

「すり足」、「踏み込み足」

あえて、上記のように記述したのは意味があります。
上段に書いたのは、足の運用の仕方、ステップの仕方の違いであり、下段に書いたのは、足が床から離れるとか床を踏み込むか否かという分別になるんではないかということです。
つまり、上段に書いたものと下段に書いたものは、ある程度組み合わせが可能ということになりましょう。

まぁ、使わないものもあるのは事実ですが。

継ぎ足は、そのステップだけで移動を伴うものではない、次のステップへのステップというか、やや特殊です。
継ぎ足で踏み込み足といいう組み合わせはないこと(継ぎ足をしてから踏み込み足はあります)は、上記のことの例外となることをご了承ください。

さて、何に対して、気になっているかというと、、、指導者を育成する指導者ですら、用語の使い方が乱れているなぁとおもっていること、、、それは、以下です。

「踏み込み足」打突でなく、「送り足」打突をすること

以前、技の体系に関して、拙ぶろぐで少々問題提起をしましたが、こういう技術体系に関してもしっかりとした用語整理などが必要なのかもしれません。

> 拙ぶろぐ:応じ技の応じ技はどこへ?!

前述のことはなにがおかしいかというと、、、
いまの剣道の「踏み込み足」は、ほとんどが「送り足」の運用の仕方(ステップ)で、前の足を「すり足」ではなく、離床をした後、床の「踏み込み」をして移動をしているのです。
とくに、この場面での指導内容としては、「歩み足」で「踏み込み」をするという難しいことをするわけでもなく、初級者等を対象とした指導者の指導、その示範のためのものであったので、指導者養成・育成にあたっては、言葉の正しい使い方もあるべきという観点からも、違和感をもったのです。

まぁ、、、とにかく、剣道の専門家は非常に「擬音語・擬態語」による指導が非常に多いです。
これはこれで、運動指導の非常に素晴らしいことでもあります、、、とくにしっかりと師匠と弟子の関係が成立してて、言葉なんてなくても伝わる、明確な言葉でなくても伝わるということは、それはそれで素晴らしいんです。
ただ、指導者育成の場面では、ダメだと思っています、、、的確な言葉を使い、ひろく、正確に伝えてほしい指導者でないとダメだと思っていますから。

さて、話を戻して。
ここで正しい表現というのであれば、以下となるでしょうか。

「踏み込み足」打突でなく、「すり足」打突をすること

あるいは、送り足に対応するのであれば、以下も考えられます。

「歩み足」打突でなく、「送り足」打突をすること
「開き足」打突でなく、「送り足」打突をすること

などなど、、、うーん、わけわからなくなりそうだな、、、

とまぁ、こうは書いてきたものの、、、
全日本剣道連盟のYouTubeチャンネルの大日本帝国剣道形(打太刀:高野佐三郎先生、仕太刀:中山博道先生)をみてもそうなんですが、、、今と違い、本来「形」などに、足の運用の歩数とかこまかいことの記述はなかったとも言われています。

> 全日本剣道連盟YouTubeチャンネル「大日本剣道形(完全版)」

相手との可変的な状況下で、臨機応変、「技」として完成するために使われるのが、「足さばき」であり、歩数云々ということでもないのかもしれません。

近年、とある稽古法が級審査などに取り入れられ、それに対して、いろいろな決まりごとが出てきています。
あまり、細かく決まりごとをつくるのはどうかなぁと思っています。
とくに、これは「稽古法」ですから、技の体系を理解させることが大切だと思っていますし、個々の特徴が生きるような方法論を、指導者や剣道をする者の自由度をもって、考えてもらいたいと、せつに思っているんですがね。

さらに申せば、「足」運びの言葉を、別の観点から考えると、剣道では、立っている時点の、足1つ分(前後の幅は前足の踵と後ろ足の爪先のラインが、、、)という「歩隔」や前後の「歩幅」があっても、移動の際の「歩隔」、「歩幅」、「歩調」、「歩行速度」などは明確に示されていません。
そのなかで、技をする場合に、「歩数」だけ決まっているのも、わたしの今回のネタの疑問を増長させています。
また、立脚、両足支持、遊脚などの足運びの期もはっきりさせずにいますしね、、、

話が脱線してきていますね。
さらに、脱線ついでに申しますと、、、

「足」と「脚」の違いとは、、、、、???
どちらをつかってもいまの日本語的にはおおきな間違いってことではないとは思いますが、、、
簡単に言えば、「足」は足首より先の部分「foot」、「脚」は太ももより下で足首より上「leg」です。
剣道で言うところの「足さばき」は、袴から出ていて、視覚的にみることの出来る「足」から、現在の指導に至っているんだろうなと考えています。
そういうことでは、「足」さばきというのは正しい言葉の使い方なのです、、、

とはいうものの、これに至るまでの体幹から、下半身、太もも、膝、ふくらはぎなどの「脚」の使い方、技術の説明があってもいいのではないかと思います。
そう、腓腹筋、ヒラメ筋、前頸骨筋、外側広筋、大腿直筋、、、とか、関節の伸展・屈曲、外転・内転、外旋・内旋、内反・外反、底屈・背屈、、、をどのように使ってとか、ということです。

ここらへんのことは、諸先生方の体験談とか感覚であり、体系化・成文化されていない残念さがありますね。
まぁ、前述でいうところの個々の特徴であり、自由度ですし、それぞれが稽古して覚悟していくことなんでしょうが。

今回、「足」ということをネタとするにあたり、どういう足捌きをしたら競技力向上になるとか、こういう場面はこういう足を使うと効果的とかいうことを期待される方もいたかとおもうでしょうけど、そういうことは自得することですし、下手な文言で伝えられないでしょう、、、
ってか、私自身そんなにいい足捌きもできませんし、すばらしい「身体知」や「アフォーダンス」をもっているわけでもないのでして、、、(汗)
なにより技術というより技能だし、直接、師から盗んだり伝えてもらうことですからね、今回は深くはいきません、このくらいにしておきましょう。

スミマセン、、、結局、話は迷走したまま尻切れトンボ、、、まとまりませんね、まぁ、いつものことですが(汗)
とにかく、今回は初歩的な用語整理は最初の方だけで、タイトルからも、徒然なる暴走をして、、、スミマセン。

へそ曲がりの私としては、もっといろんな「足・脚の使い方」のテキストとか指導内容としてもっと作ってもいいんじゃないかなぁという願いがあるんです、、、ってことでまとめとしたいと思います。
だいたいにして、「手と足を合わせろ」というのも曖昧で、どのタイミングで合わすのかとかも明確ではないですよね、、、
ここらへんは、、、たぶん、深いです、、、まちがいなく、、、だからこそ、こんなテキスト・教本ほしいけど。

といいつつ、今回はこのへんで。

くどいようですが、、、「あし」 からずm(_ _)m

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